漫画家と編集者の化学反応
2024年3月9日
化学反応とは、物質が他の物質と作用し合って別の性質の物質になることをいう。化学用語だが、最近では個性が違う人間が出会うことによって何か新しいものが生まれるという意味で使われることも多い。
1970年代半ば、デザイン会社を辞め「時間はあるがカネがなかった」鳥山明さんは、ろくに漫画を描いたこともなかったのに賞金狙いで「少年ジャンプ」の新人賞に応募。入賞は逃したが、これがきっかけで「ジャンプ」編集者だった鳥嶋和彦さんと出会う。
「あまり漫画を読んでこなかった」鳥山さんと「少年漫画嫌いな」鳥嶋さん。2人の共通点は名前が似ていることと「これまでにない新しい漫画をつくりたい」という思いだけだった。鳥嶋さんの著書「Dr.マシリト最強漫画術」(集英社刊)に、鳥山さんが寄稿している。
初期の代表作「Dr.スランプ」。鳥山さんはドジな天才博士を描こうとしたが、鳥嶋さんがロボットの女の子を主人公にすることを提案。それに従ったところ大ヒットした。連載終了から30年近くたっても人気が続く「ドラゴンボール」など、その後の鳥山さんの活躍は今さら言うまでもないだろう。
68歳での旅立ちはあまりにも早い。くだんの著書で鳥嶋さんは「(鳥山さんの)仕事場の雰囲気が明るかった」と振り返った上でこう記している。「体力があり、なおかつ自分の気持ちのコントロールがうまかったという点でも、鳥山明はまさしくプロだった」
1970年代半ば、デザイン会社を辞め「時間はあるがカネがなかった」鳥山明さんは、ろくに漫画を描いたこともなかったのに賞金狙いで「少年ジャンプ」の新人賞に応募。入賞は逃したが、これがきっかけで「ジャンプ」編集者だった鳥嶋和彦さんと出会う。
「あまり漫画を読んでこなかった」鳥山さんと「少年漫画嫌いな」鳥嶋さん。2人の共通点は名前が似ていることと「これまでにない新しい漫画をつくりたい」という思いだけだった。鳥嶋さんの著書「Dr.マシリト最強漫画術」(集英社刊)に、鳥山さんが寄稿している。
初期の代表作「Dr.スランプ」。鳥山さんはドジな天才博士を描こうとしたが、鳥嶋さんがロボットの女の子を主人公にすることを提案。それに従ったところ大ヒットした。連載終了から30年近くたっても人気が続く「ドラゴンボール」など、その後の鳥山さんの活躍は今さら言うまでもないだろう。
68歳での旅立ちはあまりにも早い。くだんの著書で鳥嶋さんは「(鳥山さんの)仕事場の雰囲気が明るかった」と振り返った上でこう記している。「体力があり、なおかつ自分の気持ちのコントロールがうまかったという点でも、鳥山明はまさしくプロだった」