2024年12月27日15時09分
国史跡の快天山古墳(香川県丸亀市、4世紀中ごろ)で見つかった3基の石棺は同時埋葬されていたことが27日までに、同市教育委員会の調査で分かった。3石棺の同時埋葬は全国でも珍しいという。市教委は「当時の埋葬文化や他地域の古墳との関係を考える上で、重要な発見」としている。
同市文化財保存活用課によると、快天山古墳は全長98・8メートルの前方後円墳。1950年から調査され、後円部に3基のくりぬき式石棺があることが分かっていた。
2021年度からの発掘では墳丘の盛り土を調査。土層の堆積状況から3石棺を安置した後、並行して石積みや粘土を設置した可能性が高いことが判明。3石棺を同じ盛り土が覆っていることから同時に埋葬されたことが分かった。
同時期に埋葬されているにもかかわらず、1、2号石棺は棺を石で囲んだ石槨なのに対して、3号石棺は棺を粘土で覆った粘土槨という違いがある。この差が何を示すかなど新たな課題も浮上。3石棺は2号、1号、3号の順に造られたと考えられていたが、3基同時に製作された可能性も出てきた。
【写真】 1、2号石棺と同時埋葬されていたことが分かった3号石棺=22日、香川県丸亀市の快天山古墳