2025年01月09日15時51分
東京商工リサーチは9日、介護事業者の2024年の倒産が全国で172件だったと発表した。調査を始めた00年以降で最多。負債額1千万円以上の件数を集計した。物価高騰に伴う事業運営コストの増加が影響し、小規模事業者の倒産が多かった。人口規模の大きい団塊世代が75歳以上となる25年以降は介護需要が急増するとみられ経営環境の改善が課題となる。
介護事業者の倒産は16年に初めて100件を超え、新型コロナウイルス禍が始まった20年は118件だった。21年は国によるコロナ関連の支援策などがあり81件まで減少したが、22年は支援が縮小して物価高も重なって143件まで増加した。23年は122件だった。
24年の倒産件数を業種別で見ると、ホームヘルパーが高齢者宅を訪れる「訪問介護」81件、デイサービスなど「通所・短期入所」56件、「有料老人ホーム」18件の順に多かった。訪問介護と有料老人ホームは過去最多。訪問介護では、事業者が受け取る報酬の基本料金部分が24年度改定で減額されたことも響いた。
【写真】 介護事業者の倒産件数