2024年12月25日17時44分
【北京共同】岩屋毅外相は25日、訪問先の中国・北京で、観光目的の中国人が個人で訪日する際に必要な短期滞在ビザ(査証)に関し、10年間何度も利用できる「数次査証」を新設すると明らかにした。これに先立ち、王毅外相と会談し、来年早期に王氏の来日を実現する方針で一致した。岩屋氏は、沖縄県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)に中国が設置したとみられるブイを今月新たに確認したとし、即時撤去を求めた。
10年有効のビザ新設は、北京で開いた閣僚級の「日中ハイレベル人的・文化交流対話」(人文対話)で岩屋氏が表明した。人文対話には、日本側から阿部俊子文部科学相、中国側から王氏らが出席した。
観光目的の個人客向けの数次査証はこれまで5年有効が最長だった。日本政府は、発給対象に高所得者らを想定しており、インバウンド(訪日客)の往来増による経済効果に期待する。
外相会談では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、中国が全面停止してきた日本産水産物輸入を再開するとの合意を着実に履行すると確認した。
【写真】 中国の王毅外相(右)と握手する岩屋外相=25日、北京の釣魚台迎賓館(代表撮影・共同)