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首相、衆院選挙制度の検証を提起 裏金事件、批判かわす狙いも 

2025年01月06日16時38分
 石破茂首相は6日、三重県伊勢市で年頭記者会見を開き、現行の衆院小選挙区比例代表並立制を巡り「約30年の現行制度の歴史を踏まえ、党派を超えた検証が必要だ。多くの民意が政治に適切に反映されることが重要だ」と提起した。少数与党下での国会運営に関し、合意形成には野党も責任を共有することが求められると強調した。野党との大連立については「今の時点で考えているわけではない」と語った。

 政治改革を巡っては、積み残しとなっている企業・団体献金の扱いに関し「真摯に議論し、成案が得られるよう努めていく」と述べた。選挙制度改革に向けた議論の必要性を訴えたことと併せ、自民党派閥裏金事件に対する野党の批判をかわす狙いもありそうだ。

 ただ首相は、選挙制度の具体的な改革案に触れなかった。定数を複数とし有権者が候補者を複数選べる「中選挙区連記制」を持論とし、昨年9月の自民総裁選で選択肢に挙げていた。

 首相は、今月24日召集予定の通常国会を巡り、野党の賛成を得なければ25年度予算案も重要法案も可決できないと重ねて主張した。
【写真】 伊勢神宮の参拝を終え、年頭の記者会見をする石破首相=6日午後、三重県伊勢市