2025年01月10日19時00分
北極海の太平洋側の海氷下に蓄えられている熱量が、1999年からの約20年間で約1・8倍に増えたことが分かったと、海洋研究開発機構(神奈川県)や北海道大などのチームが10日、英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した。地球温暖化を背景に、太平洋から流れ込む海水の温度が上昇したのに加え、海流が変化したのが要因とみられる。
海洋機構の渡辺英嗣主任研究員(極域海洋学)は、蓄えられた熱が海氷の下で「床暖房」のように働く可能性を指摘。「海氷激減の引き金となる恐れがある」と話した。
【写真】 海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」と、北極海の海氷=2008年9月(海洋機構提供)