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韓国の尹大統領、内乱容疑で拘束 戒厳令巡り現職初、警護庁対峙も 

2025年01月15日11時07分
 【ソウル共同】韓国高官犯罪捜査庁(高捜庁)や警察などの合同捜査本部は15日、「非常戒厳」宣言を巡る内乱容疑などで尹錫悦大統領を拘束した。現職大統領の拘束は初めて。今月3日に拘束を試みたが、大統領警護庁に阻止され断念。15日未明(日本時間同)に再び拘束に乗り出し、公邸前で一時警護庁側と対峙した後、午前10時33分に拘束令状を執行した。

 尹氏は国会で弾劾訴追され、職務停止中だが、内乱罪には当たらず捜査も違法だとして徹底抗戦を続けている。憲法裁判所で始まった罷免の是非を判断する弾劾審判でも自らの正当性を主張。保守層から一定の支持をなお集めており、今後も政治的混乱が続きそうだ。

 大統領には不訴追特権があるが、内乱罪は例外に当たる。高捜庁は尹氏が3度の出頭要請に応じなかったため、2度にわたって拘束令状を請求。ソウル西部地裁がいずれも発付を認めた。

 尹氏は昨年12月3日夜、野党が国政や司法をまひさせているとして戒厳令を宣言。国会が解除要求決議を可決したことを受け、尹氏は約6時間後に解除した。
【写真】 就任宣誓する韓国の尹錫悦大統領=2022年5月、ソウル(聯合=共同)