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照ノ富士引退会見、涙見せず 初日夜、師匠に覚悟伝える 

2025年01月17日16時20分
 大相撲の第73代横綱照ノ富士(33)=本名杉野森正山、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=が初場所6日目の17日、現役を引退した。東京・両国国技館で記者会見し「思い通りの相撲をできなくなり、中途半端な気持ちと体で土俵に立つべきではないと思った」と涙を見せずに語った。

 2場所連続全休明けで臨んだ初日の小結若隆景戦に肩透かしで敗れた後、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に「もう一回負けたら引退したい」との覚悟を伝えたことを明かした。照ノ富士は「今まで前に落ちることはあまりなかった。体もついていかなくなったと感じた」と話す。4日目の翔猿戦で2敗目を喫し、決断へと至った。

 両膝痛や内臓疾患の影響で大関から序二段まで転落しながら、2021年名古屋場所後に最高位を射止めた。思い出の一番は序二段で復帰した19年春場所の最初の取組を挙げ「相撲人生の中で一番緊張した」と述懐。どん底からはい上がり「誰よりも努力して、自分にうそをつかないで、自分に負けるな。それを常に言い聞かせてきた」と述べた。
【写真】 引退会見を終え笑顔で記念写真に納まる、大相撲の横綱照ノ富士(右から2人目)。右端は伊勢ケ浜親方=17日午後、東京・両国国技館