2025年01月24日20時11分
【深セン、北京共同】中国広東省深センで昨年9月に日本人の男児=当時(10)=が刺殺された事件で、深セン市中級人民法院(地裁)は24日、中国人の被告の男(45)に故意殺人罪で死刑判決を言い渡した。判決は、被告がネットで注目を集めるために刃物を購入して何ら罪のない児童を殺害したと指摘した。金杉憲治駐中国大使が北京で記者団に明らかにした。
公判で被告は、被害者の家族や在中国日本大使館と話したいと発言したという。地裁は、被告が犯行後にメディアに電話をかけていたことを明らかにした上で「極めて悪辣、重大な犯行であり、極刑が相当だ」とした。判決は日本人を狙ったかどうかを含め、日本に言及しなかった。
金杉氏は判決を受け「在留邦人の安全確保に関する対策を引き続き強化していく」との意向を表明した。
公判は報道機関には公開されなかったが、在広州日本総領事館の貴島善子総領事が傍聴した。
事件が発生した9月18日は日本が中国東北部を占領する発端となった1931年の柳条湖事件が起きた日で、日本人を狙った犯行との見方がある。
【写真】 中国広東省深センの深セン市中級人民法院=24日(共同)