2024年12月26日18時21分
1995年の阪神大震災を機に結成されたNPO法人「NGO神戸外国人救援ネット」(神戸市)が30年間の活動をまとめた記念誌を完成させ、26日発表した。救援ネットは、公的支援が行き届かなかった被災外国人の医療費立て替えや多言語での生活相談に取り組んできた。その経験が「ともに助け合いながら災害を乗り越える手がかりになる」と期待を込めた。
救援ネットは震災発生翌月の95年2月、外国人支援団体代表者ら約20人で結成された。当初は短期滞在やオーバーステイで健康保険証を持たない外国人が治療費を払えない問題に注力。数百万円が必要な人もいたことから、寄付金などで「肩代わり基金」を立ち上げ、費用を立て替えた。
英語、スペイン語、タガログ語など、多言語で困り事の相談に乗るホットラインも開設。現在も年間100件以上の相談に応じる。近年は生活に困窮した留学生や、外国人同士のドメスティックバイオレンス(DV)の相談が増えたという。
記念誌はA4判、452ページで、これまでの活動や講演録、震災時の新聞記事なども収録した。
【写真】 30年間の活動をまとめた記念誌を手にする「NGO神戸外国人救援ネット」の飛田雄一理事長(右)ら=26日午後、神戸市