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阪神大震災経験継承の研修会 兵庫・西宮市消防局「使命感を」 

2025年01月14日16時21分
 30年前の阪神大震災で救助や消火に当たった兵庫県西宮市消防局の幹部職員が若手に経験を伝える研修会が14日、市役所で開かれた。幹部2人が震災後入庁した約80人に当時の写真を使って説明し「将来必ず大地震が起きるものと考え、覚悟と使命感を持って対応してほしい」と語りかけた。

 講師を務めたのは瓦木消防署の田井辰雄署長(59)と、西宮消防署の福井克快副署長(60)。

 田井さんは当時、鳴尾消防署の消防士だった。被災者の救助活動に追われた。市内では3日間で火災が41件発生。無力感に打ちひしがれたといい「終わりの見えない闘いで、極限の精神状態だった」と振り返った。

 福井さんは西宮消防署の消防士長で、現場に削岩機などの機材が届けられず救助活動に苦労したという。「有事の際には現場職員が培った知識や技術を用いて柔軟に行動してほしい」と述べた。

 市消防局によると職員約500人のうち、震災を経験した人は昨年4月時点で約1割。南海トラフ地震などの災害に備え、節目の年に研修会を実施している。