2025年01月20日15時40分
静岡県伊豆の国市で2023年11月、祭りの山車が横転し1人が死亡、13人が重軽傷を負った事故で、山車の誘導責任者で業務上過失致死傷罪に問われた石井弘希被告(40)に静岡地裁沼津支部は20日、禁錮1年8月、執行猶予3年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。
奥山雅哉裁判官は判決理由で「やったことのない運行方法を採用、指示したことは慎重さを欠き、安全性を軽視するものといわざるを得ず、注意義務違反の程度は大きい」と指摘。一方で、経緯を含め詳細に供述して原因解明に寄与し、遺族に謝罪していることなどを踏まえ、執行猶予を付けた。
判決によると、山車の進路変更の際、平たんな場所でいったん停止させる指示をするなどの注意義務を怠り、下り坂まで前進して一時停止させる計画を策定。23年11月3日の祭り当日、山車を下り坂で制動困難な状態に陥らせて加速、横転させ、引き手の佐藤由己さん=当時(72)=を死亡させ、13人に重軽傷を負わせた。