2025年03月14日21時30分
最高裁第3小法廷(平木正洋裁判長)は、森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の妻雅子さん(53)が、佐川宣寿元国税庁長官から改ざんの指示を受けたとして1650万円の損害賠償を求めた訴訟で、雅子さん側の上告を退ける決定をした。12日付。敗訴確定を受け、雅子さんは14日、「とても悔しい。信じられない」とのコメントを出した。
裁判官5人中4人の多数意見。学者出身の宇賀克也裁判官は上告を受理すべきだとの反対意見を付けた。
2022年11月の一審大阪地裁判決は「公務員の職務で損害を与えた場合、個人は賠償責任を負わない」と判断した上で「責任を負わない以上、道義上はともかく、説明や謝罪をすべき法的義務はない」とした。23年12月の二審大阪高裁判決も支持した。
雅子さんは佐川氏のほか国も提訴し、国は約1億円の請求を受け入れる「認諾」をして裁判が終結。佐川氏との訴訟だけが続いていた。