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地下鉄サリン事件、30年で集会 遺族「涙が乾くことはない」 

2025年03月15日18時23分
 オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年となるのを前に、被害者の会などが15日、東京都内で集会を開いた。地下鉄職員の夫=当時(50)=を亡くした高橋シズヱさん(78)が講演で、遺族や被害者らにとって「30年たっても涙が乾くことはない」と強調。教訓を伝えるため、遺族らの手記やインタビュー動画をまとめたアーカイブをインターネットで公開したとし、活用を呼びかけた。

 高橋さんは講演数日前に、息子が信者だった人と泣きながら電話でやりとりしたエピソードを紹介。「オウム真理教に関わった人はみんな不幸になった。30年たってもその不幸を消し去ることはできない」と語った。

 教団の後継団体は活動を続けており、事件を知らない世代の人たちに「危険が及ぶ可能性はある」と指摘。公表したアーカイブなどで記憶を継承してほしいと求めた。

 オウム真理教犯罪被害者支援機構副理事長の中村裕二弁護士は、主流派後継団体「アレフ」が約10億円の賠償金を払わず、巧妙な手口で資産を隠していると説明した。

 集会には195人が参加した。
【写真】 地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズヱさん(壇上左端)らが出席して開かれた集会=15日午後、東京都千代田区