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太平洋戦争は「侵略の悪夢」 タカ派の渡辺氏、中国に贖罪意識 

2025年01月25日15時59分
 1993年2月、渡辺美智雄外相が米国を訪れて要人と会談した際、太平洋戦争はアジア諸国にとって、日本による「侵略の悪夢」だったと表現していたことが昨年12月26日公開の外交文書で分かった。中国については「日本は攻め込み半分以上を支配し、多大の人的物的損害を与えた」と述べていた。専門家は「タカ派で知られる渡辺氏だが、中国に贖罪意識があったのではないか」と指摘する。

 91年のソ連崩壊後、日米両国内では冷戦時の安全保障体制をそのまま維持していくことに疑問の声が上がっており、両政府は同盟の在り方を模索していた。

 渡辺氏は2カ月後に控えた日米首脳会談の下準備として訪米。クリストファー国務長官と会談し「(アジア諸国には)50年前の侵略の悪夢があり、日本が米国に取って代わることはできず、米国がいた方が皆安心だ」と語っていた。

 アスピン国防長官との会談では「日本は経済的に軍備拡張能力がないわけではないが、アジア諸国の不安を招く」とも述べていた。
【写真】 1993年2月、渡辺美智雄外相がクリストファー米国務長官と会談した際に、太平洋戦争は日本による「侵略の悪夢」と表現した記述がある外交文書