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ALS治療薬トフェルセン承認 国内初の近視進行抑制薬も 

2024年12月27日17時47分
 厚生労働省は27日、米製薬企業バイオジェンが開発した筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬「トフェルセン」の製造販売を承認した。SOD1と呼ばれる遺伝子に変異がある患者が対象で、全体の約2%が該当する。また厚労省は同日、近視の進行を抑制する参天製薬(大阪市)の点眼液「アトロピン」の製造販売も承認した。近視進行抑制薬の承認は国内初。

 ALSは神経に障害が起き、筋肉がやせて徐々に体を動かせなくなる病気。国内の推定患者数は1万人以上とされる。原因は解明されておらず、根本治療法はない。

 トフェルセンは、変異したSOD1遺伝子が神経に有害なタンパク質を作るのを防ぐ働きがある。米食品医薬品局(FDA)は2023年4月に迅速承認し、日本ALS協会も早期の実用化を求めていた。

 近視は眼球の形が前後に長くなり、ピントの合う位置が網膜より前になっている状態。アトロピンは瞳孔を広げる効果があり、子どもの斜視などの診断に使われている。低濃度の場合は副作用なく近視の進行抑制効果があると期待されていた。
【写真】 製造販売承認されたALS治療薬「トフェルセン」(バイオジェン提供)