【北京共同】中国紙、環球時報（電子版）は２２日、国際原子力機関（ＩＡＥＡ）や中国などの専門家が昨年１０月に東京電力福島第１原発周辺で採取した海水を中国の研究機関が検査・分析したところ、放射性物質濃度に異常は見られなかったと報じた。関連データはＩＡＥＡが取りまとめた後、公表される予定だという。環球時報は中国共産党機関紙の人民日報系。

　日中両政府は昨年９月、中国が全面停止してきた日本産水産物の輸入再開に向け、ＩＡＥＡの枠組みの下、試料の採取や分析への中国側の参加で合意していた。福島原発周辺の海水の放射性物質濃度に異常がないと中国側が確認したことにより、早期の水産物の輸入再開につながるかどうかが注目される。

　中国の専門家は環球時報の取材に、処理水について「前例がなく、日本の一方的な海洋放出は正当性や合理性がない」と批判。一度の海水試料の検査結果では十分な分析はできないと指摘し、中国など関係国が海水採取に参加して、独立したモニタリング（監視）を続けていく必要があるとの考えを示した。