2025年01月25日15時54分
環境省は、古くなったダムや発電所などを建て替える際に必要な環境影響評価(アセスメント)の手続きを簡略化する方針を固めた。2000年代以降に増加した風力発電所が20年ほどたって更新時期を迎えていることが念頭にあり、円滑な建て替えを後押しする。50年までの脱炭素社会実現につなげる狙いがある。関連法改正案を今国会に提出する。
改正案で簡略化するのは、工作物の位置や規模が大きく変わらず、環境への影響が新たに生じないなど一定の要件を満たす場合に限る。
風力発電所の場合、出力5万キロワット以上の設備は現在、新設でも建て替えでも環境アセスが義務付けられ、必要な書類の作成や審査で4~5年かかっていた。改正案により、風車の構造や発電所としての出力規模がほぼ変わらない場合は、手続きの第1弾に当たる「配慮書」の作成と審査を省略できる。
配慮書は作成に半年~1年、審査には3カ月程度かかり、事業者の負担や建て替えの遅れにつながっていた。住民説明などには、事業内容を簡潔にまとめた書類で代用できるようにする。
【写真】 風力発電の環境アセスメントの流れ