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カメラ故障、原因調査開始 2号機デブリ取り出し装置 

2025年03月15日14時29分
 東京電力は、福島第1原発2号機で溶融核燃料(デブリ)の試験的取り出し中に発生したカメラ故障の原因調査を開始したと明らかにした。原子炉格納容器内の高い放射線量が影響したとみられるが、特定には至っていない。内部の電子回路や部品の状態を調べ再発防止につなげる。

 昨年9月の取り出し作業中に、釣りざお式装置の先端に取り付けた2台の映像が遠隔操作室のモニターに映し出されなくなった。作業員が手作業で予備品のカメラに交換したところ正常な状態に復旧し、昨年11月に事故後初めて小石状のデブリを回収した。

 東電は放射線量が高い状況で電源を切ったことで帯電したと推定。当初はカメラ全体の調査を検討したが、除染しても放射線量が下がらなかったため分解し、心臓部に当たる基板だけを横浜市の研究所に運んだ。

 デブリの試験的な取り出しは今春に2回目を予定しており、故障したものと同型のカメラを使用する。格納容器の貫通部から装置を差し込み、爪形器具をつり下げて初回とは異なる場所でのデブリ採取を目指す。
【写真】 福島第1原発2号機のデブリ採取装置。右側面の棒状の部分が映像が送れなくなったカメラの1台(東京電力提供)