2024年12月28日06時11分
2024年、サッカーJ1の町田は初昇格で3位と躍進した。一方でSNS上には所属選手やスタッフへの誹謗中傷が相次ぎ、告訴に踏み切る事態に発展した。スポーツ界全体でもSNSで中傷を受けたアスリートが法的措置で対抗する例が目立つ。国際大の山口真一准教授は「(中傷が)ゼロになることは絶対にないが、抑止力にはなる」と話す。
町田のある選手には包丁と血の絵文字が並んだメッセージが届いたこともあったという。顧問弁護士の加藤博太郎氏によると、悪質な投稿は1日約千件に上ることも。社長は10月に名誉毀損などの容疑で投稿者の処罰を求める告訴状を東京地検に提出した。
山口准教授は「コメントを見ると、チーム戦術やプレースタイルについて批判がある」と印象を語る。町田は球際の激しいプレーに加え、PKの際に水をボールにかける行為などが物議を醸した。J1鹿島から加入した昌子源主将は「町田の選手だから嫌われている実感はあった」と漏らす。
パリ五輪でも誹謗中傷は問題に。政府は24年度補正予算で、スポーツ庁の誹謗中傷対策として約2億円を計上した。
【写真】 札幌と引き分け、うつむく昌子(中央)ら町田イレブン=9月、Gスタ