2024年12月26日15時23分
【ワシントン共同】トランプ次期米大統領は25日、太平洋と大西洋を結ぶ交通の要衝パナマ運河で米船舶が徴収されている通航料が不当に高いとして「パナマは想像を絶する額をぼったくっている」との不満を改めて示した。パナマは反発を強め、来年1月の就任前から摩擦が激化している。
運河の管理権返還も迫るトランプ氏は25日、自身のSNSに「パナマ運河を違法に運営する素晴らしい中国の兵士よ。メリークリスマス」と投稿した。中南米で影響力を拡大させる中国に対抗する狙いもあるとほのめかした。
ロイター通信によると、運河の拠点港を香港系の企業が運営している。
トランプ氏は22日にも通航料が不公平だと批判。パナマのムリノ大統領は「交渉の余地はない」と反論した。
AP通信によると、専門家は米国が管理権を再び主張することはできないとの見方を示した。
パナマ運河は米国の支援で1914年に完成。米国が長く管理を続けたが、99年に管理権をパナマに全面返還した。米商務省によると、通過する船舶の約7割が米国発着となっている。
【写真】 パナマ運河を通過する貨物船=2023年4月、パナマ市郊外(ロイター=共同)