2025年01月09日05時38分
【サンパウロ共同】ブラジルでボルソナロ前大統領の支持者が連邦議会などを襲った三権中枢襲撃事件から2年を迎えた8日、政府は首都ブラジリアで襲撃を糾弾する式典を開いた。ルラ大統領は演説で「私たちがここにいるのは事件を忘れないように、二度と同じことが起こらないようにするためだ」と述べ、再発防止を誓った。
地元メディアによると、「強化された民主主義」と銘打った式典には閣僚や国会議員ら約400人が出席。ルラ氏は演説で「クーデターの試みに厳しく対処する。関係者全員が罪を償うことになる」と述べた。捜査当局は襲撃事件の背後でボルソナロ氏らがルラ氏の暗殺を含むクーデターを計画していたとみている。現場となった大統領府では襲撃時に暴徒が破壊し、その後に修復された美術品も展示された。
襲撃事件は2023年1月8日に発生。ルラ氏がボルソナロ氏に僅差で勝利した22年の大統領選を巡り、不正を示唆するボルソナロ氏に呼応した支持者約4千人が連邦議会、大統領府、最高裁の建物になだれ込んで内部を破壊した。
【写真】 ブラジルの三権中枢襲撃事件から2年を迎え、式典に参加したルラ大統領(中央)=8日、ブラジリア(AP=共同)