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出生地主義、見直しを一時停止 米連邦地裁「明白な憲法違反」 

2025年01月24日07時45分
 【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州シアトルの連邦地裁は23日、米国で生まれた両親が外国人の子どもに自動的に国籍を与える出生地主義制度を廃止する大統領令について「明白な憲法違反だ」として2週間差し止めた。命令は米国全土に適用される。第2次トランプ政権が打ち出した政策を司法が止めるのは初めて。

 裁判資料によると、連邦地裁は、大統領令が憲法上認められた市民権を住民から奪うと説明。強制送還や家族離散のリスクもあるとして「取り返しのつかない損害」をもたらすと指摘した。

 トランプ大統領は就任初日の20日に大統領令に署名した。憲法修正14条は「米国で生まれ、または帰化し、管轄権に属する者は米国の市民である」と明記し、出生地主義の根拠になってきた。大統領令は不法滞在者らの子は「管轄権に属する者」に該当しないとしている。

 ワシントン州など民主党が優勢な4州が21日、差し止めを求めて提訴していた。ニュージャージー州やカリフォルニア州など約20州も、マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁に提訴している。