2025年03月15日06時08分
【シャルルボワ共同】カナダで14日、与党自由党のカーニー党首(59)が首相に就任した。9年余り在任したトルドー前首相の後任として、カナダと関税の応酬を繰り広げるトランプ米政権と対峙する。カナダの中央銀行総裁を務めた金融専門家で、政治家としての経験は少ないが、記者会見で「米国と協力できる」と語り、交渉に自信を見せた。
トルドー前政権の一部の閣僚を留任、別のポストに横滑りさせた新内閣が発足した。トランプ政権への対決姿勢で自由党支持が高まっており、早期に下院を解散して10月予定の総選挙を前倒しするとみられている。
カーニー氏は会見で、数日中にフランスと英国を訪問すると発表した。欧州各国と関係を強化し、対米依存を軽減したい考えだ。
トランプ米大統領は、カナダを「米国の51番目の州」にすべきだと主張している。カーニー氏は「米国の一部にはならない」と改めて反発した。米国第一主義には理解を示し「米政権にはカナダの労働者と雇用も重要だということを分かってほしい」と語り、妥協点を探る姿勢を示した。
【写真】 14日、カナダの首都オタワで記者会見するカーニー首相(ゲッティ=共同)