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イランの観光業、苦境続く 欧米制裁が影、体制に不満 

2025年03月16日16時30分
 世界遺産の登録数が中東で最多を誇るイランで、観光業の苦境が続いている。核開発問題を巡る欧米の制裁や中東情勢の悪化が影響し、外国人観光客は減少。打開を模索する動きもあるが、観光業に携わる人々は、第1次政権でイランを敵視したトランプ米大統領による「最大限の圧力」政策復活を懸念し、不満の矛先を体制に向けている。

 南部シラーズ郊外にある代表的な古代遺跡ペルセポリス。2月上旬に訪れると、イラン人でにぎわう一方、外国人は確認できただけでわずか数人。ある観光業者は「欧州人が減った」と話した。

 イランが核開発を制限する見返りに欧米が制裁を解除するイラン核合意が2015年に成立したことを契機に、外国人観光客は欧州からを中心に増加した。地元メディアによると、14年に約500万人だった外国人観光客数は19年に約880万人まで拡大した。

 一方、22年からはウクライナに侵攻するロシアに無人機を供与したとして欧米との対立が激化。核開発問題でも溝が深まり、23年は約590万人にとどまった。(シラーズ共同)
【写真】 イランの古代遺跡ペルセポリスを訪れた観光客=2月、南部シラーズ郊外(共同)