2025年03月18日19時10分
国連人権理事会(47理事国)の「強制的失踪作業部会」が今月、北朝鮮に対し、政治犯収容所に送られた元在日朝鮮人の家族3人について安否や所在の調査を要請したことが18日、関係者への取材で分かった。日本に脱北した家族が昨年、同部会に請願書を提出していた。
請願したのは2008年に来日した脱北者李京姫さん(40)。北朝鮮が政治犯収容所の存在自体を直接的に認めたことはないが、昨年の取材に対し「北朝鮮に少しでも圧力をかけたい。1日でも早く家族について正確な情報が知りたい」と語っていた。
関係者によると、同部会が調査を要請した3人は、李さんの父親(75)と母親(75)、姉(42)。脱北を疑われ、07年10月から08年4月下旬ごろ収容所に送られたとみられる。今年1月にジュネーブで開かれた会合で事案が検討され、今月11日付で北朝鮮に要請した。3人の人権を守ることも求めた。
李さんの父親は福岡県、母親は大阪府出身で、戦後の帰国事業で北朝鮮に渡った。同部会は家族3人の情報を日本側に送付することも決めた。
【写真】 両親と写った写真を手にする李京姫さん=2024年12月、関東地方