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あす知事選投開票

2022年12月24日
◆地域変える力が手中にある◆

 任期満了に伴う知事選があす投開票される。この1票が宮崎を変える力になる、との思いを持って投票所に足を運んでほしい。県民生活に最も身近な、そして最大の影響を持つ大事な機会だ。3期12年の現県政への評価、今後の地域づくりへのビジョン。有権者は現在から未来を見据え、1票を投じたい。

 期日前投票も順調な滑り出しのようだ。元職の東国原英夫氏(65)、現職の河野俊嗣氏(58)、新人のスーパークレイジー君(36)=本名・西本誠氏=の3人が立候補。事実上、知名度の高い元職と現職の一騎打ちの様相となり、主要な政党や団体などから推薦を集め組織戦を展開する現職に対して、元職が全国区の発信力で猛追する構図だ。

 各人が判断する基準はさまざまにある。新型コロナウイルス禍や物価高で疲弊している県民の経済状況をどう好転させるか。困窮者層が拡大しており、県民は果たして将来への明るい展望を持ち得ているのか。県民生活の質の向上、人口減と過疎化、低賃金、産業振興、中山間地の維持など課題は山積する。

 投票行動は単なる候補者選びにとどまらない。地域の課題を捉え、どんな地域づくりにつなげていきたいかを模索するスタート地点だ。選ばれた新首長に良い意味での緊張感と刷新力をもたらすためにはそれ相応の投票率が必要になる。高投票率はその後の県政運営への県民による監視力を高める。半面、低投票率は「お任せ民主主義」への悪循環を招いてしまう。

 投票率低下は全国的な問題だが、本県も例外ではない。故松形祐堯氏の勇退を受けて24年ぶりに新知事を選んだ2003年は59・34%、次いで東国原氏が初当選した07年は64・85%と上昇。しかし以降の10、14年選挙は40%台に急落し、前回18年は過去最低の33・90%まで落ち込んだ。低投票率は県政への関心度と無縁ではあるまい。

 「言っても変わらない」という諦めや政治不信がまん延しているのは確かだ。「政治とカネ」の問題、政治家の言い逃れがこれほど国政で相次げば致し方ない面もある。しかし逆に言えば、政治の危機と言える今だからこそ住民主軸の政治が求められている。ここ宮崎から信頼できる地方政治をつくり上げよう。あすの投票をその始まりとし希望につなげたい。

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