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県議選あす投票

2023年4月8日
◆資質見極め1票を投じよう◆

 統一地方選の前半戦となる県議選の投開票が9日に迫った。期日前投票での投票率(中間状況)は前回県議選を上回っており、最終的な投票率向上への兆しも見えている。無投票が前回の7選挙区から3選挙区に減ったことが要因と考えられる。

 選挙戦の”競争”で生まれる切磋琢磨(せっさたくま)は、議員の質や活動の変革を促す。投票行動への機運をさらに盛り上げ、有権者は議員への期待を込めて大切な1票を投じよう。

 新型コロナウイルス禍で地域経済は疲弊し回復途上にある。ウクライナ侵攻を受けた物価高騰とエネルギー問題、少子高齢化で深刻化する社会保障など、生活不安は近年膨れ上がっている。昨秋には甚大な台風被害が県内を襲い、中山間地域の存続自体にも懸念が強まった。

 生活を脅かす経済や環境危機を解消するには、政治家がキャッチフレーズを掲げて夢を語るだけでは足りない。実際に県民の代弁者となり、政策や仕組みの構築につなげ、自ら動く政治家が求められる。適任者を選ぶ4年に1度の貴重な機会。有権者は放棄せず、議員の資質や日ごろの活動を見極めてほしい。

 県議の議員報酬は月額78万円(議長は月額98万円、副議長は同89万円)。これに加えて1人当たり月額30万円の政務活動費が支給される。この額の多寡については、各議員の活動の充実度によって判断は分かれるだろう。ただ、血税からの支出であることを考えると決して怠慢が許される額ではない。

 県議会事務局が「日ごろの活動の様子や調査項目、関心事が透けて見える」というのが、議員が提出・公開している政務活動費の収支報告書。県議会ホームページで閲覧できる。見やすさの点で改善を図る必要はありそうだが、議員一人一人の活動内容を確認できる。

 また、本紙は2日付で、政治姿勢を一覧できる立候補者アンケートを掲載した。目指すべき女性議員の比率、議員報酬の支給額についての適否、同性婚への考えなどが比較できる。ぜひ参考にしてほしい。

 昨夏に安倍晋三元首相が凶弾に倒れて以降、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係も浮上した。地方議会議員とも接点を持ち、国の政策立案などに影響があったことが判明。特定団体とのゆがんだ関係に対する有権者の目は厳しくなった。どの政治家を選ぶかは本県の政治の質に直結する。未来への責任を果たす1日だ。

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