きりしま展望
2024年1月9日
◆「人口増」「観光」飛躍なるか◆
人口減対策は自治体の頭を最も悩ませる課題。地方都市が少子高齢化の波にのまれる中で、「10年後に人口増」という大胆なテーマを掲げるのが都城市の池田宜永市政だ。2032年には人口増に転換させる目標で、昨年からは移住促進策や、子育て世帯支援など肝いり施策を展開。24年度中に具体的な人口ビジョンも示すという。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、同市の50年の推計人口を約12万5千人とはじき出した。20年比で約3万5千人の落ち込み。この分析に歯止めをかけられるか。
その池田市政の今年一番の壁は、11月任期満了の市長選だろう。池田氏は4期目に向けて出馬表明したが、今のところほかに新風の予兆はない。人口規模で県内第2の同市が3回連続無投票となれば、いささか寂しい。新しい選択肢への動きがあるのか注視したい。
道路行政では悲願のゴールが見えた。1994年に計画路線に指定された地域高規格道の都城志布志道(延長約44キロ)が24年度内の全線開通に見込みが立った。宮崎自動車動・都城インターチェンジと志布志港(鹿児島県)を結び、南九州圏域の防災、経済、医療の道として利便性が一気に高まる。6月の促進大会で最後の後押しをする。
都城観光を支えてきた関之尾公園が変貌する。4月末にもリニューアル整備が終了し、国内大手アウトドア用品メーカーのスノーピーク(新潟県)が指定管理者になるキャンプ施設などがオープンする。市は年間利用約7万5千人を見込み、市内の観光客を16万人ほどから19万人超に押し上げる公算だ。目玉施設に乏しく経済恩恵が少ない通過型観光と指摘されてきた同市。昨年開業した道の駅「都城NiQLL(ニクル)」などとの連携で周遊性を高め、滞在型観光の拠点になれるか期待が集まる。
霧島地域で見ると、小林市は旧体育館など5施設を統合する「健幸のまちづくり」拠点施設整備の業務委託契約が市議会で可決され、本格的に走りだす。
霧島連山・硫黄山の火山ガスの影響で通行止めとなっていた県道小林えびの高原牧園線(県道1号)は土日限定で開放したが、えびの、小林市では平日と祝日も開放を望む声が強い。
三股町は町営五本松団地跡地に予定する交流拠点施設整備の具体的なビジョンを進められるか注目。高原町は町立病院の赤字圧縮が大きな課題となる。
コロナ禍が明けた昨年から、支社近くの神柱公園に子どもたちの元気な声が戻ってきた。先述した人口減問題をはじめ厳しさを増す地方都市で子どもたちの笑顔を守れる未来をどう描くか。辰(たつ)年に飛躍を期す。
人口減対策は自治体の頭を最も悩ませる課題。地方都市が少子高齢化の波にのまれる中で、「10年後に人口増」という大胆なテーマを掲げるのが都城市の池田宜永市政だ。2032年には人口増に転換させる目標で、昨年からは移住促進策や、子育て世帯支援など肝いり施策を展開。24年度中に具体的な人口ビジョンも示すという。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、同市の50年の推計人口を約12万5千人とはじき出した。20年比で約3万5千人の落ち込み。この分析に歯止めをかけられるか。
その池田市政の今年一番の壁は、11月任期満了の市長選だろう。池田氏は4期目に向けて出馬表明したが、今のところほかに新風の予兆はない。人口規模で県内第2の同市が3回連続無投票となれば、いささか寂しい。新しい選択肢への動きがあるのか注視したい。
道路行政では悲願のゴールが見えた。1994年に計画路線に指定された地域高規格道の都城志布志道(延長約44キロ)が24年度内の全線開通に見込みが立った。宮崎自動車動・都城インターチェンジと志布志港(鹿児島県)を結び、南九州圏域の防災、経済、医療の道として利便性が一気に高まる。6月の促進大会で最後の後押しをする。
都城観光を支えてきた関之尾公園が変貌する。4月末にもリニューアル整備が終了し、国内大手アウトドア用品メーカーのスノーピーク(新潟県)が指定管理者になるキャンプ施設などがオープンする。市は年間利用約7万5千人を見込み、市内の観光客を16万人ほどから19万人超に押し上げる公算だ。目玉施設に乏しく経済恩恵が少ない通過型観光と指摘されてきた同市。昨年開業した道の駅「都城NiQLL(ニクル)」などとの連携で周遊性を高め、滞在型観光の拠点になれるか期待が集まる。
霧島地域で見ると、小林市は旧体育館など5施設を統合する「健幸のまちづくり」拠点施設整備の業務委託契約が市議会で可決され、本格的に走りだす。
霧島連山・硫黄山の火山ガスの影響で通行止めとなっていた県道小林えびの高原牧園線(県道1号)は土日限定で開放したが、えびの、小林市では平日と祝日も開放を望む声が強い。
三股町は町営五本松団地跡地に予定する交流拠点施設整備の具体的なビジョンを進められるか注目。高原町は町立病院の赤字圧縮が大きな課題となる。
コロナ禍が明けた昨年から、支社近くの神柱公園に子どもたちの元気な声が戻ってきた。先述した人口減問題をはじめ厳しさを増す地方都市で子どもたちの笑顔を守れる未来をどう描くか。辰(たつ)年に飛躍を期す。