県南展望
2024年1月12日
◆人に目を向け地固めの年に◆
日南市は昨年、3月の東九州自動車道清武南―日南北郷インターチェンジ(IC)開通をはじめ、市役所新庁舎の供用開始(5月)、道の駅「きたごう」開業(10月)など、大型事業が形となった飛躍の一年だった。対して今年は現時点で大きな事業が公表されていないが、それらを生かしつつ、人や暮らしなど足元にも目を行き届かせるような「地固めの年」としたい。
そんな中、目玉施策の一つとなりそうなのは、学校給食無償化だ。先月の市議会一般質問で高橋透市長は「来年度予算での実現に向け検討を行っている」と踏み込んだ答弁をした。答弁後の取材に対し「検討」を強調するも、強い意欲を見せており4月からの実施は確定的。子育て世代には朗報となる。
年間1人当たり小学約5万3千円、中学約6万円の負担軽減となる。年間予算額は約2億円。背景には年間出生数が300人を割る深刻な少子化がある。ここ2年の月ごとの人口動態を見ると、出生数が20を切る月が目立って増えている。市の強い危機感がうかがえる。
観光については、市が直営で管理する飫肥城由緒施設などの指定管理者に飫肥城下町保存会が選定された。4月から3年間運営を担う。民間による利活用計画が頓挫し、紆余(うよ)曲折を経た由緒施設。同保存会は約40年の運営実績があるが、経験を生かした新たな取り組みにも期待したい。JR九州が昨年9月に市内の企業に事業承継の方針を発表した宿泊施設「茜(あかね)さす 飫肥」。再開に向け手続きを進めているが、具体的な日程は未定。
商工分野では、2019年夏に浮上した日南北郷IC付近の工業団地整備計画。22年春完成予定だったが、動きが見られず棚上げ状態で、市は「場所、規模を含めて検討中」とする。ただ、水面下で調整が進められているようだ。関係者は練り直された計画が2月下旬にも発表されることを示唆する。
一方、昨年11月に市発注の指名競争入札を巡る官製談合事件に揺れた串間市。当時の副市長と業者4人が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕、うち副市長を含む4人が起訴された。
事件を受け、島田俊光市長は年度内に入札制度を検証する第三者委員会を設置することを表明。併せて、特別職も含めたコンプライアンス研修を実施し、職員の資質向上と法律に反する行為の撲滅に努めるとする。これら再発防止策を示したが、失墜した市政への信頼を取り戻すのは容易ではない。どう襟を正していくのか。注視していかねばならない。また、年末付で退職した副市長の後任人事についても、どこからどのような人物を起用するのか注目される。
日南市は昨年、3月の東九州自動車道清武南―日南北郷インターチェンジ(IC)開通をはじめ、市役所新庁舎の供用開始(5月)、道の駅「きたごう」開業(10月)など、大型事業が形となった飛躍の一年だった。対して今年は現時点で大きな事業が公表されていないが、それらを生かしつつ、人や暮らしなど足元にも目を行き届かせるような「地固めの年」としたい。
そんな中、目玉施策の一つとなりそうなのは、学校給食無償化だ。先月の市議会一般質問で高橋透市長は「来年度予算での実現に向け検討を行っている」と踏み込んだ答弁をした。答弁後の取材に対し「検討」を強調するも、強い意欲を見せており4月からの実施は確定的。子育て世代には朗報となる。
年間1人当たり小学約5万3千円、中学約6万円の負担軽減となる。年間予算額は約2億円。背景には年間出生数が300人を割る深刻な少子化がある。ここ2年の月ごとの人口動態を見ると、出生数が20を切る月が目立って増えている。市の強い危機感がうかがえる。
観光については、市が直営で管理する飫肥城由緒施設などの指定管理者に飫肥城下町保存会が選定された。4月から3年間運営を担う。民間による利活用計画が頓挫し、紆余(うよ)曲折を経た由緒施設。同保存会は約40年の運営実績があるが、経験を生かした新たな取り組みにも期待したい。JR九州が昨年9月に市内の企業に事業承継の方針を発表した宿泊施設「茜(あかね)さす 飫肥」。再開に向け手続きを進めているが、具体的な日程は未定。
商工分野では、2019年夏に浮上した日南北郷IC付近の工業団地整備計画。22年春完成予定だったが、動きが見られず棚上げ状態で、市は「場所、規模を含めて検討中」とする。ただ、水面下で調整が進められているようだ。関係者は練り直された計画が2月下旬にも発表されることを示唆する。
一方、昨年11月に市発注の指名競争入札を巡る官製談合事件に揺れた串間市。当時の副市長と業者4人が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕、うち副市長を含む4人が起訴された。
事件を受け、島田俊光市長は年度内に入札制度を検証する第三者委員会を設置することを表明。併せて、特別職も含めたコンプライアンス研修を実施し、職員の資質向上と法律に反する行為の撲滅に努めるとする。これら再発防止策を示したが、失墜した市政への信頼を取り戻すのは容易ではない。どう襟を正していくのか。注視していかねばならない。また、年末付で退職した副市長の後任人事についても、どこからどのような人物を起用するのか注目される。