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県内スポーツ展望

2024年1月17日
◆全力プレー声援で後押しを◆

 「ラストー」「頑張れ」。宮崎市の中心市街地で、沿道から選手に声がかかる。8日にあった県市町村対抗駅伝競走大会。昨年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行し、ファンによる応援も変化。マスク着用が義務づけられていた昨年までと違い声援が飛び交った。

 昨年11月に宮崎市で開かれたプロゴルフの2大会は多くの県外客が詰めかけた。取材で足を運んだ女子の今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の観客数は、4日間で1万人超え。ショットがピンに絡み、難しいパットを決めるたびにどっと沸いた。観客の歓声に、選手が磨いてきた技で応える。スポーツ観戦ならではの一体感が伝わってきた。

 今年も中高生や一般、プロスポーツの大会で応援の力を感じることになりそうだ。女子サッカーで、なでしこリーグ1部という新たな舞台に挑戦するのは新富町のヴィアマテラス宮崎。昨年の同リーグ2部は通算14勝4分け負けなしで優勝し、総得点67は2位以下に22点差。失点12もリーグ最少と攻守に圧倒的な強さを見せ、昇格1年でこのカテゴリーを駆け抜けた。

 その最終戦を、地元・新富町の富田浜公園で昨年まで2年続けて取材した。感じたのはサポーターとの距離の近さ。選手の多くが地域おこし協力隊員として地元で活動しており、農業を手伝ってもらうなど住民とは顔なじみだ。試合後、リーグ優勝を報告する選手らを「おめでとう」と歓声が包み込む。出口で選手らに声をかける年配ファンの、娘や孫を見詰めるような温かいまなざしが印象的だった。今シーズンはより厳しい戦いになりそうだが、あの地元の熱気が苦しい時の力になるだろう。

 そして今年はオリンピックイヤー。7月下旬から8月上旬にかけてパリ五輪が行われる。県勢では、柔道で女子78キロ級の高山莉加選手(三井住友海上、都城市出身)、男子81キロ級の東京五輪王者・永瀬貴規選手(旭化成)の出場が昨年内定した。ほかに男子バレーボールの甲斐優斗選手(専大、日南振徳高出)、陸上男子競歩で日向市出身の川野将虎選手(旭化成)らが代表の座を狙う。

 本県で2027年に開催される予定の国民スポーツ大会(国スポ)、全国障害者スポーツ大会(障スポ)も近づく。ジュニア世代や社会人アスリートにとっては本番に向けて力を付け、結果を残していく年となる。

 県内ではさまざまなスポーツ大会で今年、さらに多くの声援が送られることだろう。背中を押され、多くの選手たちが全力プレーを繰り広げる姿を楽しみにしている。

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