自民党大会
2024年3月19日
◆改革への本気度これからだ◆
自民党改革の決意を繰り返し訴えても、不祥事が度重なる中でもはや信用されまい。党総裁の岸田文雄首相には、国民が納得する改革の実行こそが求められている。
自民党が東京都内で党大会を開いた。演説した岸田首相は、派閥の政治資金パーティー裏金事件を謝罪し、「先頭に立って党改革、政治改革を断行すると改めて約束する」と表明した。
裏金事件を受け自民党は党則など内規を改正した。その中で政治資金規正法などに抵触する疑いが生じた国会議員は「説明責任を果たさなければらない」と明記した。
首相は党大会で、自身が本部長を務めた党政治刷新本部の「成果の第一歩だ」と強調したが、説明責任は内規に書かずとも国会議員が常に負っている。その自覚に欠けているが故に、国会の政治倫理審査会で安倍派幹部らが裏金還流の経緯に関し「分からない」「記憶にない」を連発したのではないか。
規正法さえ守らなかった議員が明文化したからといって内規に従うか疑わしい。「説明責任の貫徹を促す」と明言した首相の指導力が問われている状況に変わりはないと認識すべきだ。
会計責任者の有罪確定に伴う離党勧告や除名の処分に対し、「議員が関与するなど政治不信を招く政治的、道義的責任があると認められる時」と前提を付けた。政倫審では、安倍派幹部らがそろって裏金還流への関与を否定。それ自体、信じ難いが、今後発生した事案で、議員が不関与を主張した場合、処分に踏み切ることができるのか。
政治生命を奪いかねない処分の認定には徹底した審査が必要とはいえ、言い逃れを許すわけにはいかない。処分の当否を最終的に判断するのは首相であろう。首相は断固たる姿勢で臨み、出した結論について説明を尽くさなくてはならない。
その試金石となるのが、裏金事件での安倍派幹部らの処分だ。首相は党大会で「厳しく対応する」と言明した。改正した党内規の適用外だが、相応の処分でなければ、首相が訴える自民党改革の決意は言葉だけと早々に受け止められよう。
続発する「政治とカネ」問題の再発防止には、恣意(しい)的運用の懸念が残る党内規は不十分だ。政治資金規正法の改正が欠かせない。首相は「今国会で実現する」としているが、党大会でも具体策には踏み込まなかった。
国会論議では、法律上も議員に連帯責任が課せられる連座制の導入、使途公開の義務がないため裏金化が指摘される政策活動費の透明化の是非などが焦点になっている。これらに関わる法改正への取り組みで、首相の本気度を測れるはずだ。
自民党改革の決意を繰り返し訴えても、不祥事が度重なる中でもはや信用されまい。党総裁の岸田文雄首相には、国民が納得する改革の実行こそが求められている。
自民党が東京都内で党大会を開いた。演説した岸田首相は、派閥の政治資金パーティー裏金事件を謝罪し、「先頭に立って党改革、政治改革を断行すると改めて約束する」と表明した。
裏金事件を受け自民党は党則など内規を改正した。その中で政治資金規正法などに抵触する疑いが生じた国会議員は「説明責任を果たさなければらない」と明記した。
首相は党大会で、自身が本部長を務めた党政治刷新本部の「成果の第一歩だ」と強調したが、説明責任は内規に書かずとも国会議員が常に負っている。その自覚に欠けているが故に、国会の政治倫理審査会で安倍派幹部らが裏金還流の経緯に関し「分からない」「記憶にない」を連発したのではないか。
規正法さえ守らなかった議員が明文化したからといって内規に従うか疑わしい。「説明責任の貫徹を促す」と明言した首相の指導力が問われている状況に変わりはないと認識すべきだ。
会計責任者の有罪確定に伴う離党勧告や除名の処分に対し、「議員が関与するなど政治不信を招く政治的、道義的責任があると認められる時」と前提を付けた。政倫審では、安倍派幹部らがそろって裏金還流への関与を否定。それ自体、信じ難いが、今後発生した事案で、議員が不関与を主張した場合、処分に踏み切ることができるのか。
政治生命を奪いかねない処分の認定には徹底した審査が必要とはいえ、言い逃れを許すわけにはいかない。処分の当否を最終的に判断するのは首相であろう。首相は断固たる姿勢で臨み、出した結論について説明を尽くさなくてはならない。
その試金石となるのが、裏金事件での安倍派幹部らの処分だ。首相は党大会で「厳しく対応する」と言明した。改正した党内規の適用外だが、相応の処分でなければ、首相が訴える自民党改革の決意は言葉だけと早々に受け止められよう。
続発する「政治とカネ」問題の再発防止には、恣意(しい)的運用の懸念が残る党内規は不十分だ。政治資金規正法の改正が欠かせない。首相は「今国会で実現する」としているが、党大会でも具体策には踏み込まなかった。
国会論議では、法律上も議員に連帯責任が課せられる連座制の導入、使途公開の義務がないため裏金化が指摘される政策活動費の透明化の是非などが焦点になっている。これらに関わる法改正への取り組みで、首相の本気度を測れるはずだ。