清本鉄工
縦型間接乾燥機を主力商品に
代表取締役社長
清本邦夫
-会社を取り巻く現状は
国内外の情勢が混とんとする中で、内需の先行きが見通しにくくなっています。資材高騰や労働力不足などコスト増加の要因が増える一方、価格への転嫁は難しい状況です。今までの延長線上のやり方では生き残りは難しく、事業環境を見極めながら、改革を進めていく必要があります。
今年は、環境分野に力を注ぎます。昨年1月に縦型間接乾燥機「サイクロンドライヤー」の技術特許を持つオカドラ(横浜市)と資本提携を結びました。この乾燥機は汚泥や生ごみ、廃液、水産廃棄物など全ての有機物を一気通貫で処理し、肥料や飼料にリサイクルできるのが強み。全国で400台以上設置された実績があり、主力商品の一つとして売り出します。当社は食品製造機械や水処理施設も手がけており、製品のレパートリーが増えることによる相乗効果を狙っています。例えば、食品メーカーに、水処理や廃棄物処理も含めた総合的な提案をするなど営業の強化を図ります。
食肉加工場から出る骨や内臓などで肥料や飼料をつくる、レンダリング施設の建設にも重点を置きます。全国的に更新時期を迎えている施設が多く、建て替えなどの相談が増えているようです。2年前に畜産が盛んな北海道にも営業所を開設しており、受注の増加を目指します。
働き方改革などで労働時間が限られる中で、いかに生産性を高められるかが鍵となります。現場改善発表会などで各現場の良い事例を横展開し、業務効率化を図ります。ものづくりの現場ではデジタル化が急速に進んでおり、技術をタイムリーに入れて体系的に教育を行う仕組みも必要です。社員数はこの10年間で約100人増えて約580人となり、入社5年未満の社員は約4割。若い世代にやりがいを持たせて成長してもらい、会社の成長にもつなげていきます。