ミクロエース
電解硫酸技術を多方面に応用
代表取締役
柳 義一
-独自の技術が高い評価を受けている
当社は半導体や電子部品、自動車など幅広い分野で表面処理加工を手がけています。独自に開発した電解硫酸技術は薬剤利用を大幅に減らし、工程で発生するCO2も抑えることができます。環境負荷を低減する技術として、多方面への応用に向けた検討が始まっています。今年は世界大手から依頼を受けた半導体製造の洗浄工程に関する技術が実用化できる見込み。EV(電気自動車)のモーター等に使う銅部品から銅を回収・利用、車に搭載されている樹脂の塗料剝離などでも技術開発を進めています。
昨夏、EV向けスズめっき処理の工場が本格稼働しました。金属表面の金属単結晶の発生を抑制する技術が評価され、複数の大手企業から受注が決定しています。メーカーから品質向上とコスト削減に向けた処理法の新たな提案を受けており、常にレベルアップしながら対応していきます。
当社は1952年に「宮崎編機工業企業組合」として設立。当初は編物機械の開発、製造を手がけていましたが、工程途中のメッキ処理に着目し、金属の表面加工に特化してきました。創業から七十数年、他社にない新しい技術を開発する姿勢は一貫しています。社是の「前進」という言葉には「常に前を向きたい」との思いを込めています。社員には「責任は私がとる。失敗を恐れずに挑戦してほしい」と伝えています。
社員教育の一環として、キャリアごとに行う研修に加え、新たに社員全員を対象として昨年4月から2カ月に1回の社内研修を実施しています。技術の進歩に取り残されないように、知識やスキルを身に付けるのが目的です。研修では地域とのつながりや人間性向上も重視し、会社周辺の道路清掃などのボランティア活動を行います。「ミクロエースが宮崎にあってよかった」と言ってもらえる取り組みを続けます。