宮崎日機装
宮崎ブランドのものづくりに注力
代表取締役社長
中村干城
-新社長としての一年が始まる
1月1日付で就任しました。40年前に親会社の日機装入社当時、医療機器の営業で宮崎を頻繁に訪れていました。街並みは大きく変わりましたが、第2の故郷に国内最重要生産拠点ができ、そこに帰ってこられた運と縁を感じ、喜びを感じています。
宮崎日機装の設立は2017年3月。「宮崎から新たな価値を持つ製品を世界へ」の掛け声の下、主力の航空機部品や産業用特殊ポンプの生産が順調に進んでいます。新たに「空飛ぶ車」と呼ばれる電動垂直離着陸機「eVTOL(イーブイトール)」や小型衛星の部品生産も始めました。
次世代エネルギーを支える技術開発の取り組みも進んでいます。石炭火力発電所向けに2026年の実用化を目指している液体アンモニア用ポンプの開発は、今年中に形が見えてくると思います。アンモニアは燃焼時に二酸化炭素が発生せず、石炭に混ぜて燃やせば二酸化炭素の排出量を抑えられます。「脱炭素」は引き続き重要なキーワードです。アンモニアの先にある液体水素用ポンプの開発も見据え、この分野から社会全体に貢献していきたいと思います。
いずれも他社が真似できない高度な技術の求められる取り組みですが、それをわずか8年の短期間で実現できたのは行政や地元工業会の協力とともに、優秀な従業員のおかげです。Uターンを含め7割が宮崎出身で、僭越な言い方かもしれませんが、日機装が築き上げてきた技術力が彼らの高い潜在能力を引き出せたのだとしたら、これ以上の地元貢献はないと思います。
従業員は現在800人余り。雇用面での地域貢献はこれまで通り継続していきます。今後は「宮崎ブランドのものづくり」にも力を入れたい。例えば世界最先端のポンプや空飛ぶ車で、国内外から人や企業が宮崎に集まる―。そのような夢を描いています。