【コラム】“第2のホーム”
2010.02.15付
ベガルタ仙台の延岡キャンプを訪れた10日に、今シーズンのスローガンが発表されました。「闘志躍動 より高みへの挑戦」。J1昇格・J2優勝を果たした昨年の思いを踏襲し、より飛躍の年にする、とのことです。チームの延岡キャンプは10年も続いてます。県北でキャンプをする唯一のチーム。「なぜ延岡で?」と疑問をスタッフにぶつけると「最初は宮崎市などが空いていなかったからだが、今はとてもよい環境を整えてもらえる」とのこと。
「特に芝の良さは、県内でトップレベル!」と選手、スタッフともに太鼓判。選手じゃないけどちょっと失礼、と足を踏み入れると、ふかふかと柔らかいじゅうたんのようでそのまま寝転がりたい衝動に駆られました。芝の管理をしている延岡市の福嶋為嗣さんに話を聞くと、キャンプが始まる1カ月以上も前からグラウンドを誰にも使わせず、またキャンプ期間中は土を軟らかくする作業を、日に3回行っているのだそうです。
またこの日は選手達が練習を終えた後、チームスタッフと「延岡市サッカー協会」ら地元の有志たちとの交流試合もありました。熱い指示や笑い声が飛び交うなか、一生懸命走るみなさん。「不利な条件が多いから、何か魅力がないと続けてもらえない」と、できることを常に考えているそうで、みなさん、とてもイイ顔をされています!
このような地元のサポートを受け、チームでは延岡を「第2のホーム」と位置付けているそうで、延岡市民ならずとも誇らしくなりました。長年キャンプを見ている市民は「今年は選手の気迫が違う!」と熱い視線を送っています。
残念なのは、先述のように県北地域で他にキャンプをするプロチームがないこと。ベガルタ仙台は延岡で基礎を固め、宮崎市にキャンプ地を移したこれから練習試合などを行います。「第2のホーム」だけど選手たちの勇姿は見られない。せめてもう1つスタジアムがあれば…と願わずにはいられません。(実生)
【写真】ベガルタ仙台がキャンプを行った延岡市・西階陸上競技場。入念に手入れされた芝の状態は、県内でも屈指。