復活期す李に快音 巨人
2010.02.13付
韓国の大砲が汚名返上を期している。4年契約の最終年を迎えた李承燁が、宮崎で必死にバットを振っている。ここ2年は打撃不振で期待を裏切った。「最悪だった」と本人も認める。移籍1年目の2006年には不動の4番だった男も、今や新外国人のE・ゴンザレスと出場枠を争う立場だ。
「最低30本塁打、100打点」の目標に向けて臨んだキャンプでも、苦悩は続いた。左方向への打球を意識するあまり、球を引きつけすぎて詰まったり、大きな当たりを打とうとテークバックを大きくしすぎて、バットが下から出たり…。
だが、やっと調子が上向いてきた。長年スコアラーを務めた三井査定室長との居残りティー打撃で、フォームが変わった。同室長は「ダーツを投げるときと同じ。シンプルに構え、目標に向けて振り出していく方がコントロールをつけやすい」と説明する。左肩寄りにあったグリップの位置は顔の前へ変わり、最短距離で球をとらえる。ミート率が格段に上がり、快音が日に日に増えている。
李承燁は「今は思った通りに打てている」と笑顔で言う。失った信頼を取り戻せるか。成果を示す実戦はまもなく始まる。(宮崎市)
【写真】フリー打撃を行う巨人・李承燁=県総合運動公園