熱血指導エンジン全開 木村
2010.02.09付
「もっと腰を低く落とせ」「ボールに集中しろ」。今季からノックバットに持ち替えてチームをもり立てる木村拓也(宮崎南高卒)1軍内野守備走塁コーチ。内野陣の捕球、送球動作に目を光らせ、時には自らグラブをはめて身ぶりを交えて熱血的に指導する。その身のこなしは若手に負けないぐらいはつらつとしている。投手以外の全ポジションを堅実にこなす守備の要として、昨季は日本シリーズ制覇に貢献した。日本一を決めた夜に現役引退を表明。背番号は0から84に変わった。サンマリンスタジアムでは選手の間を元気いっぱいに走り回り、アドバイスを送るが、グラウンドを離れると「まだまだ未熟な部分がたくさんある。原辰徳監督や先輩コーチから指導法などを学び、しっかり選手をサポートしていきたい」と謙虚。
選手時代は身長173センチ、体重75キロと小柄ながら、人一倍の努力で19年間、厳しいプロ球界を生き抜いてきた。グラウンドを出るのはいつも最後。守りを徹底して鍛えたことで、チームに頼りにされるユーティリティープレーヤーとなり存在感を高めた。「プロは現役でいる限り、生き残りを懸けた競争が続く。チーム内での自分の役割を自覚し、誰にも負けないという強い気持ちで取り組めば結果はついてくる。選手が試合で最高のプレーができるよう、このキャンプでは基本をたたきこみたい」
エンジン全開の37歳は、選手たちに真正面からぶつかっていく覚悟だ。
【写真】指導者として新たなスタートを切った木村拓也1軍内野守備走塁コーチ。2年連続の日本一に導くため、戦力の底上げに全力を注ぐ