大道今季も一打入魂
2010.02.19付
個性派のベテランが、じっくりとシーズンへの備えを進めている。昨年10月に不惑を迎えた巨人の大道は、今季も右の代打として期待がかかる。キャンプは主力組のA班でスタートしたが、16日からは2軍での調整となった。「若い人は実戦が大事だが、この年になると実戦にはいつでも入っていける。自分の調整には、たっぷり打てる方がいい」と、自分のペースで練習を進めている。
上体をかがめ、バットを短く持って右方向へ打ち返す独特の打撃スタイル。その中でも、微妙な変化は毎年あるという。「バットをどれくらいの長さで持つか。完全に右打ちをするのか、右中間を狙うのか…。その年のスタイルを見つけるのが、今の時期」。打撃練習ではグリップの位置を変えたりしながら、理想のフォームを探っている。
南海から始まったプロ野球人生は、今季が23年目。「人一倍失敗をして学んできた」と振り返る長いキャリアで、技術と精神力を培ってきた。「レギュラーは4打数1安打でもいいが、代打は1の1じゃないといけない。1球打ち損じたら負け。4打席分集中しないと」と気構えを語る。昨季はクライマックスシリーズや日本シリーズで勝利を引き寄せる代打適時打を放ち、日本一に貢献した。
チームはリーグ4連覇と2年連続日本一を目指す。試合終盤に起用される代打の重圧も大きくなるが、「勝敗の鍵を握るところでの代打は、天国と地獄が紙一重。やめられない」と、まるでスリルを楽しむかのよう。抜群の勝負勘を誇る40歳は、今季も頼れる切り札になってくれそうだ。(宮崎市)
【写真】フリー打撃を行う巨人の大道=県総合運動公園