沢村見せ場十分55球
2011.02.07付
練習後、巨人の原監督は「実戦向きかな。明らかにブルペンより良いものが出た」とうれしそうだった。フリー打撃に初登板したドラフト1位右腕、沢村(中大)についてだ。主力の坂本らにも気後れすることなく、実力の一端をのぞかせた。スピンの利いた快速球が低く伸びる。セットポジションからぽんぽんと機械のように投げた。坂本、大田と対戦し、強い当たりは数えるほど。この時期は調整の早い投手が有利とはいえ、巧打の坂本のバットを内角速球で2度も折るなど見せ場十分の55球となった。
「力むと球が荒れるので7割の力で。打者がいる方が投げやすいし、実戦感覚を養えた」と沢村は冷静に振り返った。昨年10月以来の打者との対戦だそうだが、ブルペンで指摘されてきたテンポの悪さや制球の乱れは見せなかった。監督の言葉通り、本番に強いのか。
「ドンと来る、迫力のある球。素直に速いと思った」とは坂本の感想。本人は「実戦に向け、切れと球速をもっと出したい」と意欲的。注目世代の中でも、この剛腕ぶりは魅力的だ。
【写真】フリー打撃に登板し、笑顔を見せる巨人・沢村=宮崎
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