タカ日本一へ鍵握る男 内川調整ぶれなし
2011.02.05付
力みのない美しいスイングから、鋭い打球が広角に飛んでいく。ソフトバンクに新加入した内川の打撃練習に首脳陣も目を細める。本人は「最終的には首位打者を頭に置けたらいい。10割を目標にどれだけいくのか楽しみです」。2008年に右打者の歴代最高打率3割7分8厘で首位打者に輝いた男は新天地での決意をみなぎらせた。自らの調整にぶれはない。全体練習終了後、1人で独自のトスバッティングに励む。バットを体の前で大きく8の字を描くように振り回して軌道の確認。「ボールに対して下にいかないように」を心掛ける。ワンバウンドさせた球も打つ。緩急のある不安定なボールをとらえるのは試合のためだ。「首位打者を取ったときからやってるかな。実戦でも少し抜かれたり、速くなったりする。僕としてはずっと継続してやっているだけ」。3年連続3割以上をマークした実績が物語っている。
リーダーの資質を感じさせる28歳だ。共に練習を行う本多も「参考になる部分が多い。どんどん見ていきたい」と積極的に助言を受ける。内川は「僕自身も確認になる」と話す。環境が変わって不安もあったが、実直で明るい性格は早くもチームに溶け込んでいる。
チームは日本一を渇望する。横浜時代は優勝に縁がなかった。「望んで来た。ホークスのプラスアルファにならないといけない」。8年ぶりの悲願達成へ。鍵を握る内川の胸には強い思いがある。
【写真】フリー打撃で快音を響かせるソフトバンクの内川=宮崎アイビー
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