小久保、記録と記憶の年へ「長打力」磨き
2011.02.17付
40歳となるシーズンは記録にも記憶にも残る年になるはずだ。ソフトバンクの小久保は400本塁打にあと1本、2千安打まで130本と球史に残る数字が懸かる。気負いはない。「一日一日ポイントをしっかりチェックしていく。僕はいつだってそう」。日々のスイングの感触を確かめながら開幕へ着実に向かう。昨季はオーバーワークが原因の首痛などにより約1カ月半の離脱があった。その反省を踏まえ、例年若手を引き連れていた自主トレを1人で実施。十分な治療時間をつくりつつ、下半身強化に励み、キャンプで振り込める体をつくってきた。
自らの長所は「長打力」だという。一昨年は全試合に出て18本塁打、昨季は出場112試合で15発にとどまった。キャンプでは長さが通常の約3分の2のバットを用いたティー打撃などで軸回転を意識し、球を遠くに飛ばす感覚を養っている。
置かれている状況は厳しくなった。カブレラが加入し、一塁の定位置争いが始まった。ただ昨年のクライマックスシリーズ敗退後に秋山監督から「俺が監督でいる間は主将」と言われた男にはプライドがある。「試合に出て守らなかったら主将は務まらない。1年500打席の勝負」。ノックでは変わらず元気に声を出す小久保の姿がある。
400号が目前というのは「いいオフ」と笑った。まずは快調に打球を飛ばす。そして春に自らが描く放物線が日本一への第一歩と信じている。(宮崎市)
【写真】バットを振り込むソフトバンクの小久保=宮崎アイビー
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