体つくり1軍狙う 福岡SB武田翔太
2012.02.16付
「とりあえず雰囲気に慣れないと。慣れれば自分の力を発揮できる」。キャンプ中盤、プロへの適応具合を尋ねると、背番号30は自信をにじませた口調で言い切った。宮崎日大高から今季、ドラフト1位で入団。187センチ、84キロの恵まれた体から150キロ超の速球を投げ込む。昨夏の甲子園県予選は毎試合ネット裏に日米球団のスカウトが集結。同校の河辺寿樹監督はOBの加藤哲郎(元近鉄)堤内健(元横浜)藤岡好明(ソフトバンク)らと比べ、「球質、球速、全ての能力でスケールが違う」とその素材を絶賛する。
今キャンプはB組(2軍)スタート。初日からブルペンに入り、3日目も足を運ぶなど意欲的だったが「あまり内容がよくなかった」とその後は回避。今は走り込みによる下半身強化や守備練習に重点を置く。首脳陣も「ことしはじっくり体づくりさせる」方針だ。
「練習の密度は濃いけど思ったより体に余裕がある。たとえきつくても仕事ですから」と充実した笑顔を見せる。そして「体づくりも1軍を目指すのも平行して取り組む。体づくりは大事だけど、それだけでは変化がないから」。将来のエース候補は足元を見詰めつつ、秘めた闘志をうかがわせた。