沢村パワーアップ図る 本格派の自負にじむ
2012.02.14付
日々の振る舞いに、言葉の節々に、本格派としての自負と闘争心がにじみ出ている。巨人の沢村は、キャンプ初日の必勝祈願で奉納した絵馬に「制圧」という言葉を添えた。昨季の新人王が目指すのは、打者を牛耳る圧倒的な投球だ。昨季は体重90キロほどだったが、シーズンオフの間に5キロ以上増やした。理由は明快。「日本車と米国車では排気量が違うのと一緒。走者を背負ってからギアを上げるというか、ガラッと変えられるようなエンジンを積みたい」。剛球が売りの右腕は、さらなるパワーアップをもくろんでいる。
キャンプ序盤はフォームのバランスに苦しんだ。増量によって、投球のメカニズムに修正を迫られているようだ。「体を大きくしたので、去年の動きでは投げられない。新しい動きを身に付けるには、少し時間がかかる」と自己分析している。
それでも、投球練習を見た原監督は「やっぱり球の勢いはあるね。1年目の最初とは全然違う」とうなった。杉内、ホールトンが加わって層が厚くなった投手陣の中でも、球威はひときわ目立つ。
積み替えた「エンジン」を乗りこなし、自らが理想とする投球を実現できるか。「勝負を制するにしても、制し方がある。一球一球で制圧して勝ちたい」。過激に聞こえるほどの強い表現に、豪腕の自信が込められている。
【写真】2年目のシーズンに向けブルペンで投球練習する巨人・沢村