2025/01/07 18:00
【ドリームニュース】https://www.dreamnews.jp/press/0000312111/
株式会社リプロセル(以下、当社)は、2025年1月7日に以下の通りご報告を行いましたので、お知らせいたします。
当社の子会社であるREPROCELL EuropeのCSOステファン シボルスキー氏(ダーラム大学生物科学部教授)のグループより、3次元培養基材(Alvetex(R))を用いた小腸モデルの開発に関する論文が発表されましたので、お知らせいたします。
著者: Matthew Freer, Jim Cooper, Kirsty Goncalves, and Stefan Przyborski
論文タイトル: Bioengineering the Human Intestinal Mucosa and the Importance of Stromal Support for Pharmacological Evaluation In Vitro
掲載雑誌: Cells 2024;13(22):1859.
参考: https://www.mdpi.com/2073-4409/13/22/1859
本論文では、Caco-2細胞と線維芽細胞を共培養して、ヒト小腸の3次元モデルを作製しています。新薬の開発過程では、候補化合物の小腸での吸収性を評価する必要があり、Caco-2細胞のみを用いたシンプルな試験が主に行われています。しかしながら、より精度の高い評価を行うために、ヒトの生体に近いモデルが求められており、複数細胞の共培養を利用した3次元培養法が注目されています。
今回、シボルスキー氏らは、当社が開発・製造しているAlvetex(R)を培養基材に用いて、Caco-2細胞と線維芽細胞(腸由来または皮膚由来)との3次元培養を行い、小腸モデルの作製に成功しました。本論文で報告された小腸の3次元モデルは、腸管吸収の評価やTEER(経上皮電気抵抗)値において、良好な結果を示しました。また作製された小腸モデルは、ハイスループット試験にも対応しており、新薬開発での利用が期待されます。シボルスキー氏らは、これまでにAlvetex(R)を使用して、精巧な皮膚モデルの作製にも成功しており、Alvetex(R)を活用したヒト組織モデル系が広く使用されています。
作製された小腸モデル(左:ヘマトキシリン・エオジン染色、右:免疫染色(核(青色)とコラーゲンI(緑色))
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000312111&id=bodyimage1】
Caco-2細胞
Caco-2細胞はヒト結腸癌由来の細胞株で、培養すると小腸上皮細胞に似た単層構造を形成します。また、経口で投与された薬品は小腸を含む腸管で吸収されるため、小腸上皮における吸収ならびに代謝の評価は、創薬過程での重要な試験のひとつです。特に薬物吸収の評価においては、Caco-2細胞が小腸における腸管機能を再現するモデルとして、幅広く使用されています。
線維芽細胞
線維芽細胞は、結合組織を構成する細胞のひとつで、皮膚や消化器官などの体内の様々な組織や臓器の構造を支える役割を果たしています。主な機能は、コラーゲン等の細胞外マトリックスの合成です。その他の機能として、成長因子やサイトカインの分泌による機能制御に関与しています。
以上
配信元企業:株式会社リプロセル
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