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8人きょうだい元気に成長中 こどもの日

2017年5月5日掲載

父健悟さん(後列左)、母幸恵さん(同2番目)に見守られ元気に育つきょうだい8人=西都市穂北

 西都市穂北の田園地帯にたたずむ畜産業の黒木健悟さん(35)方。隣接する牛舎では牛約70頭が草をはむこの家には、きょうだい8人のにぎやかな声が絶えない。しっかり者の長女彩楓(あやか)さん(14)が「怒られる回数が8分の1で済む」とクールに語れば、「誕生日のケーキを年8回も食べられる」と笑顔を見せる世話好きの次女陽菜(ひな)さん(12)。共通の悩みは「一人部屋が欲しい」。大家族ならではのそんな喜怒哀楽を共有しながら、父健悟さん、母幸恵さん(37)のおおらかで温かなまなざしの下、2男6女が伸び伸びと育っている。

 きょうだいはほかに、長男大雅(たが)君(11)、次男涼雅(りょうが)君(8)、三女瞳月(しづく)さん(7)、四女瑚白(こはく)ちゃん(5)、五女愛麗(うらら)ちゃん(1)、そして昨年12月に誕生した六女新心(にこ)ちゃん。同所出身の健悟さんと、長野市出身の幸恵さんは2001年、勤務先だった愛知県の塗装会社で出会い、程なくして長女を授かり結婚。その後に帰郷し、和牛繁殖の家業に就いてからも、1~4年おきに次々と子宝に恵まれた。

 忙しい両親の下で、きょうだいは上の子が下の子にミルクをあげたり抱っこしてあやしたりと助け合い世話をする態勢が自然とできた。「小学生以上は何か一つ手伝いをする」という家のルールもあり、それぞれ食器の片付けや洗濯など家事も分担している。このうち大雅君は、休日に牛舎の掃除や牛の餌やりなども手伝う。「長男だから。将来は家を継いで、お父さんと一緒に牛を育てる仕事をしたい」と目を輝かせる。

 「特に大家族に憧れていたわけではないけど、自然に増えていった」と、あっけらかんと語る幸恵さん。数年前には、家族で近くの公園に出掛け、帰宅してから一人を連れて帰らなかったことに気付いた“事件”も。「あれ以来、外出先では人数を数えるようになった」と笑う。

 健悟さんは「同じように育てていても、それぞれに個性があって面白い」と、宝物8人を見つめ幸せそうに語る。「子どもたちがいることで、仕事にもやりがいが出る。みんな元気に大きくなってくれればそれが一番。巣立った後いつかまた、古里に戻って来てくれるとうれしいかな」。9人目以降については「恵まれればいいなあと思ってる。10人までは大丈夫」。

 生き物相手の仕事柄もあり、なかなか家族そろっての遠出は難しいという黒木家。家の周辺にはきょうも、子どもたちの元気な声と牛の鳴き声が響いている。