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女性初戦闘機パイロット 新田原基地所属・松島さん

2018年8月24日掲載

航空自衛隊で女性初の戦闘機パイロットになった松島美紗2等空尉=23日午前、新富町・航空自衛隊新田原基地

 新富町の新田原基地飛行教育航空隊に所属する2等空尉、松島美紗さん(26)が23日、F15戦闘機の操縦課程を修了し、航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットが誕生した。同日、同基地で課程修了式があり、松島さんは「小さい頃からの憧れだった。早く一人前になれるように努力したい」と抱負を語った。24日付で同基地の第5航空団に配属され、対領空侵犯措置などに向けてさらに訓練を積む。

 防衛省航空幕僚監部によると、航空自衛隊は1993年に輸送機パイロットなどを含むすべての職種で女性を起用できるよう、制限の解除を決めた。ただ、戦闘機と偵察機の操縦に限っては、体への負担が大きく、妊娠や出産などへの影響を考慮して制限していた。

 海外では、女性を戦闘機パイロットに起用した例があるほか、空自も輸送機で女性がパイロットの実績を着実に積み重ねた結果、2015年に戦闘機も制限を廃止した。

 松島さんは横浜市出身。「幼い頃に映画『トップガン』を見て、空を自由に飛び回りたい」と夢を抱いた。空の仕事を目指す中で「体を動かすことが好きで、人の役に立つ仕事をしたい」と防衛大に進学。2014年に航空自衛隊に入隊した。

 輸送機や救難機のパイロットを目指す課程に進み、航空機の基本的な操縦ができるウイングマークを取得後、希望して女性初の戦闘機パイロット候補者となったという。

 松島さんは最大速度マッハ2・5で飛び、体重の数倍の力が加わるF15に初めて乗った時は「操縦をしながらいろいろ考えることができるのか不安もあった」と振り返る。ただ、飛行教育航空隊司令の植森治1等空佐が「向上心と探究心が素晴らしい。目標に対して純粋でひた向き」と評する姿勢で、男性と同じ内容の厳しい訓練を乗り切ってきた。

 松島さんは対領空侵犯措置などの対応訓練を経て、西部防衛区域(九州など)の警戒に当たる予定。「訓練の中で女性だからというハンディキャップを感じたことはない。パイロットを志す人が増えるとうれしい」と話した。