日南市の日南学園高ロビーに集まった職員や生徒ら40人余りの祈りは届かなかった。劇的なサヨナラ負け。観戦者たちは大きなため息の後、一瞬沈黙したものの、すぐに「ご苦労さま」「ありがとう」と健闘をたたえる拍手を響かせた。

　藤原昭悟校長ら職員、模試を終えた生徒や一部の部活動の部員らがテレビ観戦。赤や青色のメガホンを打ち鳴らして応援、息詰まる展開に一喜一憂した。藤原校長は時折大きく息を吐き、緊張の様子。しかし、三回表に2点を先制すると、一番に立ち上がり両手を上げて喜んだ。

　逆転を許した後も「さあ、頑張って応援するぞ」と周囲に促し、再逆転を信じた。惜敗に、普通科3年国府亜紀さん(17)は「みんなとても頑張っていたし一生懸命さが伝わる好試合で感動した。勝ってほしかった」と残念そう。

　藤原校長は「選手は全力を出し切ったが、相手投手がわずかに上回った。粘りの野球を最後まで見せてくれて満足している。選手、応援してくれた生徒全員をほめたい」とたたえていた。