「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」ラインナップ発表会に出席した(左から)横浜聡子監督、白石和彌監督
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埼玉県川口市のSKIPシティで2004年から始まり、“若手映像クリエイターの登竜門”として毎年開催を重ね、第21回を迎える「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」が、7月13日(土)~21日(日)の9日間にわたり開催される。これに先立ちきょう7日、ラインナップ発表会があり、関係者が期待を語った。
【全身ショット】和気あいあい!笑顔で登場した横浜聡子監督&白石和彌監督
同映画祭の中核であるコンペティションは、国際コンペティションと国内コンペティション(長編部門・短編部門)で構成され、今年は102の国と地域から、合計1201本の応募があり、国際コンペ10作品、国内コンペ・長編部門6作品、同・短編部門8作品がノミネートされた。国際コンペの審査委員長は白石和彌監督、国内コンペの審査委員長は横浜聡子監督が務める。
白石監督は、同映画祭で2009年に、初長編監督作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』でSKIPシティアワードを受賞し、15年を経て審査員長として凱旋を果たすことに。「僕の映画をつくる人生がスタートを切れた。15年経って、映画祭が続いていることがありがたい。たくさんのクリエイター、たくさんの映画ファンがこの映画祭を通して生まれている。今年は期間中毎日、川口に通って、僕自身も映画祭を楽しみたい。これからもさらに続いていくよう、精いっぱい参加しながら盛り上げていきたい」と話した。
一方、09年に『ウルトラミラクルラブストーリー』で商業映画デビューをした横浜監督は、「出身地の青森にもかつては映画祭がいくつもあったんですが、いま現在はゼロになってしました。地域で映画祭を続けている、それを支えている皆様に心から敬意を表します」とあいさつ。「私も15年以上前に自主制作しており、映画祭で見つけていただいた。その頃の先輩方にいただいたたくさんのありがいことばや厳しいことばがあってこそ、いまがある。(審査委員長として)さらなる高みに向かっていだけるような言葉を必死に探して、伝えられたらと思っています」と意気込みを語った。
発表会にはほかに、実行委員会会長で埼玉県知事の大野元裕氏、実行委員会副会長で川口市長の奥ノ木信夫氏、映画祭総合プロデューサーの八木信忠氏、オープニング上映作品『初級演技レッスン』の串田壮史監督、映画祭ディレクターの土川勉氏が登壇。
串田監督は、20年に『写真の女』で同映画祭SKIPシティアワードを受賞。昨年も『マイマザーズアイズ』が2作品連続で国際コンペティションにノミネートされた。長編3作目となる『初級演技レッスン』は、11年短編部門奨励賞を受賞した『ケンとカズ』の毎熊克哉が主演し、14年短編部門にノミネートされた『時ノカケラ』の大西礼芳が共演しており、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」の歴史紡ぐ作品となっている。
さらに今年は、特集「商業映画監督への道」と題し、白石監督の『止められるか、俺たちを』(18年)、横浜監督の『ウルトラミラクルラブストーリー』の上映とパネルディスカッションが企画されているほか、「みんなが観たい上映作品」として『ドライブ・マイ・カー』(2021年)、『ショーシャンクの空に』(1994年)、『スタンド・バイ・ミー』(1986年)、『トップガン マーヴェリック』(2022年)を上映。『ペット2』(19年)、『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23年)の野外上映も予定されている。
大野知事は「映画を志す人、映画を見る人、そこに参加をして雰囲気を楽しみたい人全ての人が楽しめる映画祭に」と期待を寄せ、奥ノ木市長も「多くの方に川口に足を運んで映画を楽しんでいただけたら。期間中、JR川口駅東口で映画祭への誘客を促すPRイベント、Dシネママルシェも実施します。市をあげて映画祭を応援し、映像関連産業の振興と映画文化の発展につなげたい」とアピールしていた。
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