主人公・矢口八虎(眞栄田郷敦)=映画『ブルーピリオド』(8月9日公開)
(C)山口つばさ/講談社
(C)2024映画「ブルーピリオド」製作委員会
「マンガ大賞2020」受賞作を、眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりら人気俳優の共演で、萩原健太郎監督のもと映画化した『ブルーピリオド』(8月9日公開)より、キャストたちが本気で挑んだ絵画練習風景のメイキング写真と、眞栄田自身が描いた大きく羽ばたく鳥の絵の写真が公開された。
【画像】「勝利」眞栄田郷敦 自筆
本作は、「東大より難しい」と言われる国内最難関の東京藝術大学への受験に挑む高校生たちの物語。主人公の高校2年生・矢口八虎(眞栄田)は周囲の人望も厚く成績優秀だが、空気を読んで生きる日々にどこか物足りなさを感じていた。そんな八虎はある日1枚の絵に心奪われ、美術の世界へと身を投じていく…。
そんな美術の世界に夢中になっていく八虎を演じるにあたり、眞栄田はクランクインの約半年前からロケ地の一つになった新宿美術学院で絵の練習をスタートさせ、高橋、板垣、桜田は約3ヶ月前から練習に励んだという。
絵画練習開始日に実際に絵を描いてみることになった眞栄田は、6時間もの間一度も席を立たず、水も飲まず、驚くほどの集中力で絵に打ち込んだという。眞栄田の指導を担った海老澤功氏(新宿美術学院講師)も「この調子で頑張れば、本当に藝大に受かるんじゃないか」と称えるほど、没頭していく様子はまさに八虎そのものだったという。
美術アドバイザーを務めた川田龍氏は、高橋、板垣、桜田が描いた絵画を見て、役者たちのセンスを絶賛。高橋が描いた水彩には「丁寧な観察でしっかり形が見える」とコメント。
板垣の絵画には「世田介のような、真摯(しんし)な観察眼を感じられる」と板垣が演じた“天才” 世田介を引き合いに出し、ベタぼめ。桜田にも「練習を重ねるうちに自分の中のリズム感をつかみ、それを形にしていくという絵心がある」と指摘。「美大を目指す受験生と同じようにそれぞれ個性があって、すごく多彩だなと思いました」と語っている。
本気で挑んだ練習を経て、役者たちの絵を描く姿勢、画材の扱い方、筆の持ち方、走らせ方など、絵描きが見てもしっくりくるものになるまで猛特訓し、講師陣が「違和感がない」と太鼓判を押すまでのレベルに到達。また、クランクインの1週間前には、各自が役の扮装をして絵の合同練習をする機会が設けられた。
眞栄田は高橋や板垣と絵の練習をした際に、「(板垣君は)本当に天才のような雰囲気があって、八虎はこういう気持ちなんだろうなと合同練習からすごくつかめたような気がします」と、板垣の練習時の佇まいが役作りに役立ったと語っている。高橋が演じるユカちゃんは八虎とは違い日本画を専攻しており、眞栄田は高橋について「物の捉え方が独特で面白いなと。やっぱり日本画という別の科だったので、そういうのも面白いなと思いました」と語っていた。
そんな合同練習時に現場を訪れた原作者の山口つばさ氏も「八虎たちが目の前に現れて夢のよう」と感嘆していたという。
撮影では、本物の熱気や迫力を込めるために絵を描く手元やシーンに吹替えを一切使用しないことにこだわった。加えて原作に登場する絵をベースにしたたくさんの絵画も大きな見どころ。
基本的に原作と同じ作家に依頼して描いてもらった。美術初心者の八虎が描く絵に関しては、段階を踏んで徐々に上達していく過程が垣間見えるような絵を数ブロックに分けて用意された。最終的にそろった絵はなんと401枚。74人ものアーティストが協力して『ブルーピリオド』に欠かせない要素を構築した。
公開された眞栄田が描いた大きく羽ばたく鳥の絵は、「勝利」がテーマになっており、眞栄田は「勝利=自由」と考え、「とにかく自由に描いた」という。こちらの絵は実際に劇中で使用されている。劇中のどこで使用されるのか、見つける楽しみもある。
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